平屋は人気がない?平屋のメリットや高額売却するための方法を解説
一階建ての家を平屋と呼び、二階建ての家に比べると平屋の数は多くありません。
家族が増えて平屋では狭くなった場合や、相続によって平屋を取得したものの自分は居住しない場合には平屋の売却を考えることになります。
しかし、一般的に平屋は人気がないという印象があるため、売却は難しいのではないかと不安に考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、平屋を高額売却するための方法について解説します。
平屋の売却を検討している方は、こちらの記事を参考にしてください。
平屋が人気ないといわれる理由とは?
平屋の売却を検討する際に気になる点は、平屋の需要でしょう。
売却したいと考えていても買主が見つからなければ売却することができません。
一般的に平屋は人気がないと言われていますが、なぜ人気がないと言われているのか理由からみていきましょう。
1.部屋数が少なくなりやすい
平屋は一階建てなので全ての部屋がワンフロアに集約されており、よほど敷地が大きくない限りは二階建てや三階建ての住宅よりも部屋数が少なくなってしまいます。
1人暮らしや夫婦二人暮らしであれば部屋数が少なくても問題ありませんが、世帯人数が多いと家族間のプライバシーが守られにくくなります。
ワンフロアなので生活音も聞こえやすく、住みにくさを感じるかもしれません。
そのため、子供のいる家族や二世帯での居住を希望している家族からは敬遠されてしまう傾向にあります。
2.日当たりが確保しにくい
周囲に二階建ての住宅が多い場合や、背の高いマンションやビルに囲まれているような場合には、一階建ての平屋は太陽の光が遮られてしまいます。
日当たりが確保しにくいと洗濯物が乾きにくいという問題だけではなく、室内が暗くなることで圧迫感が出やすくなります。
ただし、平屋が多い地域の場合は周囲に高い建物が少ないため、日当たりは確保しやすいでしょう。
3.防犯性が低い
平屋の場合は2階や3階建て家とは異なり1階に全ての部屋があるため、1階部分の窓が多くなってしまいます。
そうすると、外からの視界にも入りやすいため防犯性が低くなってしまいます。
空き巣などの侵入は窓から行われることが多いため、1階部分に窓の多い平屋は2階や3階建ての家よりも盗難のリスクは高まると考えられます。
4.水害に弱い
2階や3階建ての家に比べると平屋は水害に弱いことがデメリットとして挙げられます。
大雨や台風などの影響で浸水があっても、2階や3階建ての家ならば上の階に避難することができます。
しかし、平屋の場合は生活スペースの全てが浸水被害に遭ってしまう恐れがあります。
とくに水害の多い地域では平屋の人気は少ないことが予想されます。
平屋は需要もある?平屋のメリットについて
平屋は人気が少ないという印象があるかもしれませんが、一定の需要はあります。
とくに近年では需要が高まりつつもあり、その理由は平屋だからこそのメリットがあるからだと言えます。
平屋のメリットを知り、メリットを生かして売却活動を行いましょう。
1.老後生活に適している
年齢を重ねるほど階段の昇り降りは辛くなるため、階段のない平屋は老後生活に適しているといえます。
トイレや寝室などが全て1階に集約されているため、移動がスムーズに行いやすくなっています。
また、バリアフリーにリフォームもしやすいため、車椅子生活にも最適です。
高齢化が進んでいる現代では、平屋の需要は高まっていくことが予想されます。
2.家族とのコミュニケーションを大切にできる
2階や3階建ての住宅の場合、玄関から上の階に直接上がれるような構造になっていれば、家族が家に帰ってきても気付かない可能性があります。
また、各階の部屋で過ごすことになれば家族間のコミュニケーションも減ってしまいます。
一方で、1階に全ての部屋が集まる平屋では、家族同士が顔を合わせる機会が多くなります。
そのため、家族とのコミュニケーションを大切にしたいと考える方にピッタリの物件だと言えるでしょう。
3.子どもの世話や家事をしやすい
平屋は1階に全てが集約されているため、子供に目が届きやすいという特徴があります。
炊事や洗濯の移動も楽ですし、家事をしながら子供の世話をすることもできます。
一方で、2階や3階建ての家では家事をするために階段の昇り降りがあるため、家事をすることも体力が必要です。
しかも、子供に目が行き届きにくいため、平屋に比べると子供の怪我や事故など異変にも気付きにくくなります。
とくに小さなお子様のいる家庭の場合、平屋は家事と育児を両立しやすいといえるでしょう。
4.地震や火災に対応しやすい
建物が高いほど地震や台風の強風による影響を受けやすくなりますが、平屋なら被害を抑えやすいという特徴があります。
また、地震や火災が起こった際にもすぐに屋外へ逃げ出すことが可能です。
2階や3階建ての家の場合は地震や家事の際に2階へいれば、逃げ遅れてしまうようなケースも考えられます。
平屋を少しでも高く売却するために検討すべきこと
平屋の売却をする場合、売り主としては少しでも高く売却したいと考えるものです。
平屋を少しでも高く売却するために、次の3つのことを検討しましょう。
1.複数の不動産会社に査定してもらう
平屋に限ったことではありませんが、不動産を売却する際には不動産会社に査定を行ってもらいます。
不動産会社ごとに査定金額は異なるため、1社だけではなく複数社の不動産会社に査定を依頼しましょう。
そうすれば、おおよその売却額を予想することができます。
相場が分かれば適切な売却価格を知れるため、仲介を依頼する不動産会社選びや売却活動の役に立つはずです。
2.修繕して売却する
築年数の古い平屋は外観の老朽化や室内の設備の不具合などが生じている恐れがあります。
このような場合は資産価値が低くなり、売却額も低くなってしまいます。
しかし、修繕をして綺麗にすれば購入希望者に良い印象を与えることができ、売却額もそのままの状態より高額になることが期待できます。
また、リフォームやリノベーションで付加価値を生み出し、売却価格を上げることも可能です。
ただし、修繕やリフォームには費用が発生します。
大幅なリフォームになれば費用も高額になるため、どの部分をリフォームするのかは慎重に検討しなければなりません。
3.解体して更地にする
築年数の古い平屋の場合、建物を解体して更地にしてしまうことも一つの方法だといえます。
築年数が古ければフルリフォームになって費用も高額になってしまいます。
しかも、更地にしてしまった方が購入者の自由に土地を活用できるため買い手が見つかりやすくなるというメリットがあります。
平屋は2階や3階建て家よりも敷地が広い傾向にあるため、購入者が新たに家を建てるだけではなく駐車場や店舗などさまざまな用途へ転用しやすいことが特徴です。
ただし、解体にも費用が発生します。
解体をしても必ず売却できるとは限らないため、不動産会社に相談しながら解体について検討してみてください。
平屋の売却時に知っておくべきこと
平屋だけに限ったことではありませんが、家の売却時には税金が発生します。
税金を抑えるためにできる対策もあるので、売却前に知っておきましょう。
また、売却方法も複数あるため、ご自身に合う売却方法を検討してみてください。
1.売却によって発生する税金と控除について
住宅を売却した場合、住民税と譲渡所得税が発生します。
これらの税金がどれくらいの金額になるのか売却前に知っておくことが大切です。
場合によっては特別控除によって税金負担も軽減できるため、しっかりと調べておきましょう。
①:税金の計算方法
住民税と譲渡所得税の計算では、「譲渡所得」を基に計算を行います。
譲渡所得とは、住宅を売却した際に発生する利益です。
譲渡所得の算出は、「住宅の売却価格−(住宅を取得した費用+譲渡費用)」で行われます。
住民税も譲渡所得税もどちらも譲渡所得に税額を掛けることで算出できます。
ただし、どちらも平屋の所有期間が短期なのか長期なのかによって税率が変わります。
所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
---|---|---|
短期譲渡所得 | 30.63% | 9% |
長期譲渡所得 | 15.315% | 5% |
短期譲渡所得は住宅の所有から5年以下の場合、長期譲渡所得は住宅の所有から5年を超える場合が該当します。
ご自身の所有期間と住宅の査定額から税金を算出してみてください。
②:譲渡所得の3000万円まで特別控除が受けられる
住宅を売却した場合、一定の条件を満たしていれば3000万円まで特別控除をうけることができます。
特別控除を受けられる条件は、次の通りです。
- 自分が住んでいる住居を売るか、住居とともにその敷地や借地権を売る
- 現在住んでいない場合、住まなくなった日から3年目にあたる年の12月31日までに売ること
- 住居を解体した場合、譲渡契約までに土地を住居以外で使用していないこと
- 売主と買主が親子や夫婦など特別な関係ではないこと
上記の条件を満たしていれば、譲渡所得から3000万円を差し引いた金額に税率を掛けた金額が税額になります。
控除は一人につき3000万円が上限になるため、夫婦の共同名義であれば合計6000万円の控除が可能です。
2.平屋を売却する方法
平屋を売却する場合、不動産会社の仲介もしくは買取りで売却することになります。
仲介と買取りのそれぞれのメリットとデメリットを知り、状況に応じた方法を選択しましょう。
①:仲介による売却
不動産会社が仲介となり、売却活動や買主への交渉を行ってもらう方法です。
仲介を利用した売却は、平屋だけではなく不動産売却において一般的な手段であると言えます。
不動産会社に仲介を依頼すれば、インターネットのホームページや折り込みチラシなど依頼した不動産会社が持つ広告媒体への宣伝活動や顧客への宣伝を行ってもらえます。
そのため、多くの人に物件を知ってもらうことが可能です。
仲介の場合は買取による売却よりも高値になりやすいことや、売却活動から売却の契約など全てを不動産会社へ任せられるというメリットがあります。
一方で、不動産会社に対して仲介費用が発生することがデメリットになります。
②:買取りによる売却
平屋を売却する場合、不動産会社自体に建物と土地を買取りしてもらうという方法もあります。
不動産会社が買い取るので売却活動を省くことができ、仲介では売れにくい物件でも売却できる可能性があります。
ただし、買取では売却価格が仲介よりも低くなってしまうことがデメリットです。
不動産会社は買取をした後に修繕やリフォームをして再販するため、できるだけ安い価格で購入しようと考えます。
なかなか売れない築年数の古い平屋を低い金額でも早く売却してしまいたいという場合には買取が向いていますが、仲介で売却できる可能性があるならば仲介で売却活動をしてから検討すべきだといえます。
③:仲介と買取のミックスした方法もある
仲介と買取りがミックスされた方法も選択肢の一つに挙げられます。
まずは仲介で売却活動を行い、一定期間が過ぎても売却されない場合には不動産会社に買取をしてもらうという方法です。
この場合、不動産会社と買取保障付きの契約を締結することになります。
一般市場で売却したいものの、売却できなかった場合の保険をかけておきたいという方には向いているでしょう。
ただし、買取保障付きの契約を扱う不動産会社は限られているため、ご自身に合った不動産会社を探す必要があります。
まとめ
今回は、平屋の売却について解説しました。
平屋は部屋数が少ないため家族の多い世帯への売却は難しいですが、高齢者や夫婦二人暮らしの家庭などに需要はあります。築年数が古くても修繕やリフォームなどの方法で高額売却できる可能性もあるため、まずは不動産会社で査定をしてもらいましょう。
不動産会社ごとに査定額や契約時のフォロー内容は異なるため、複数社に査定を依頼してから依頼する不動産会社を選択してください。平屋は通常の住宅よりも売却が難しいことも多いため、売却の難しい住宅を取り扱うような不動産会社への相談をおすすめします。
そうすれば、高額な売却につながる可能性もありますし、売れ残ってしまうという不安もなくなるはずです。
- |2023.02.20