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任意売却はどのように進む?任意売却の流れを解説

任意売却はどのように進む?任意売却の流れを解説

任意売却は、「住宅ローンの返済が困難な状況だけど、住宅ローンの残高が売却価格を上回るオーバーローン状態のために通常の売却ができない」「競売を避けて、より有利な条件で売却したい」などという場合に検討されることが多い売却方法です。

任意売却の流れは、通常の不動産売却とは異なる部分もありますが、実際、どのような流れで進むのでしょうか。

今回は、任意売却の流れや任意売却に関する注意点などについて解説します。
任意売却を成功させるためのポイントも紹介しているので、併せて参考にしてください。

任意売却に至るまでの流れ

任意売却の流れを説明する前に、まずは住宅ローンの支払いが難しい状況に陥った場合に、どのような流れで任意売却に至るケースが多いのか説明します。

1.金融機関から督促状が届く

住宅ローンを滞納すると、金融機関から督促状が届きます。

督促状は滞納してすぐに届くわけではありません。滞納後1~2か月程度経過してから「支払い請求書」などというタイトルの文書が自宅に送られることが多いです。その文書には、住宅ローンの滞納金額や、支払いの遅延に対する遅延損害金の請求などについて記載されています。

また、督促状が届く前もしくは届いた後に、金融機関から電話による督促がある場合もあります。

2.督促状を放置していると代位弁済へ進む

督促状が届いても、返済をすることなく、そのまま放置していると、滞納から3か月程度経過した頃に「催告書」が届きます

催告書は督促状よりも厳しい内容になり、支払い期限内に支払われなければ期限の利益が喪失され、代位弁済が行われる旨が記載されています。

期限の利益とは、住宅ローンを分割で返済する権利です。期限の利益が喪失されると、残りの住宅ローンを一括で返済しなければなりません。

しかし、住宅ローンを滞納している時点で一括返済は難しいでしょう。その後も返済できない状態が続くと、「期限の利益喪失通知」と「代位弁済通知」という書面が届き、代位弁済の手続きへ進んでしまいます。代位弁済とは、保証会社が債務者の代わりに住宅ローンの残債を支払うことをいいます。

その後、保証会社に対して一括返済ができなければ、住宅は競売にかけられることになります。この時点で、競売を回避するために検討されるのが任意売却という売却方法です。

任意売却の流れ

任意売却は、住宅ローンの滞納が3か月以上続いて催告書が届く時期から検討されるケースが多いです。
任意売却の流れと、それぞれの工程でのポイントについて説明します。

1.家の査定・住宅ローン残高の確認

まずは、不動産会社で家の売却価格の査定を受けましょう。

実際に物件を確認してもらい、どの程度の価格で売却を見込めるのか査定してもらいます。

不動産会社ごとに売却価格は異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

また、住宅ローン残高の確認も併せて行います。

住宅ローンの残高と家の査定額を確認することで、オーバーローンかアンダーローンか予測することができます。

住宅ローンの残債よりも不動産の価値が高いアンダーローンの状態であれば、任意売却ではなく一般的な方法で売却できます。

一方で、住宅ローンの残債が不動産の価値を上回るオーバーローンの状態であれば、任意売却を検討することになります。

2.不動産会社の選定・相談

任意売却を行うには、任意売却を進めてくれる不動産会社に依頼する必要があります。

複数の不動産会社に相談し、比較することから始めましょう。複数の不動産会社を比較することで、相談時の対応や売却におけるサポートの違いを知ることができます。

ただし、任意売却は通常の不動産売却とは異なるため、任意売却の実績を豊富に持つ不動産会社を選ぶことが大切です。任意売却を任せられる不動産会社なのかどうかは、公式サイトに記載されている実績や過去の事例などを確認した上で判断してください。

不動産会社の選定・相談はできるだけ早い段階で始めることをおすすめします。具体的には、督促状が届き、住宅ローンの支払いが難しいと判断した時点で選定や相談を始めるとよいでしょう。

3.金融機関との交渉

依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社が金融機関との交渉を行います。

任意売却では、債権者に任意売却を行うことの承諾を得て、抵当権を解除してもらう必要があります。

債権者の承諾を得るには、売却予定価格、配分案、残債の支払い計画書などの書類を作成して提示する必要があります。売却予定価格とローン残高に大きな差がある場合や、非現実的な支払い計画を提案した場合などには、任意売却の許可を得られない可能性もあるので注意が必要です。

また、連帯保証人がいる場合には、連帯保証人にも任意売却の許可を得る必要があります。

4.任意売却の開始

債権者と連帯保証人の同意を得られたら、不動産会社が売却活動を開始します。

任意売却では通常の物件と同じように、インターネットなどに物件情報を公開して売り出されます。

内見などの申し込みを受けるようなケースもあるため、家の中は可能な限り整理整頓し、きれいな状態にしておきましょう。

5.売買契約の締結

買い手が見つかれば、購入希望日や物件の引き渡し日など、売買条件について話し合います。

双方が合意した場合、購入申込書や売買代金配分表などの書類を作成し、債権者に最終的な承諾を求めます。売買代金配分表には売却にかかる諸経費などが記載されており、債権者との交渉によっては売却代金の一部を引っ越し費用に充てることができる場合もあります。

債権者から承諾を得られたら、買い手と売買契約を結ぶことが可能になります。

6.代金決済、引き渡し

任意売却では、通常の売却と同様に、引越し希望日などを買い手と相談することができます。そのため、余裕を持って新しい住居探しや引っ越し準備を行いやすいでしょう。

引越しをした後に、買い手による代金決済と物件の引き渡しが行われます。代金決済が行われるのは、売買契約から1か月くらいの時期が多いです。

7.残債への対応

物件が売却されれば任意売却の手続き自体は完了します。

任意売却で家を売却したお金は、住宅ローンの返済に充てられることになります。しかし、家の売却価格が住宅ローンの残債を下回っている場合、任意売却後も残債が残ります。

任意売却は、住宅ローンの残債が不動産の価値を上回るオーバーローンの状態の場合の売却方法なので、ほとんどの場合、残債が残ってしまいます。

残債は一括返済を求められるケースもありますが、あらかじめ交渉時に分割返済の了承を得ていれば無理のない範囲で返済をすることができるでしょう。

任意売却に関する注意点

任意売却は競売を回避するために有効な方法ですが、いくつか注意すべき点があります。

特に注意が必要な点について具体的に説明します。

1.競売の改札日前日がタイムリミットとなる

前述した通り、住宅ローンを滞納してから3か月以上経過すると、代位弁済が行われて競売手続きが開始される可能性があります。

競売手続きが開始されてからでも任意売却は可能ですが、競売の開札日前日までに任意売却を完了しないと、競売により売却されることになります。

そのため、競売の開札日前日というタイムリミットを意識しながら、迅速に売却活動を進めなければなりません。また、任意売却を行うには債権者や連帯保証人の同意が必要です。売却活動をスムーズに進めるためにも、できる限り早いタイミングで、債権者や連帯保証人の同意を得ることが求められます。

2.期間内に売却できないと競売になる

競売の開札日前日までに任意売却を完了しないと、物件は競売にかけられることになります。競売にかけられると、任意売却よりも安値で売却される可能性が高く、その分、住宅ローンの残債の額は大きくなります。

また、開札によって落札者が決まれば、早急に家を出て行かなければなりません。

「まだ新しい家が見つかっていない」「引っ越し費用を工面できていない」などという理由で待ってもらうことはできず、強制執行により無理矢理退去させられてしまう恐れもあります。

任意売却のように売却代金から引っ越し費用などを出してもらえる可能性はないので、残債に加えて引っ越し費用などの出費を抱えることになります。

3.任意売却は金融機関の合意が必要

任意売却は所有者本人の意思だけでは進めることができず、債権者の合意が必要です。

債権者の合意を得ることができなければ、任意売却を進めることができず、競売により家を売却されることになります。

また、任意売却の手続きの開始だけではなく、売買契約の締結に関しても債権者の承諾が必要になります。そのため、債権者との交渉が任意売却の成功の鍵になるといえます。

買い手との売買の条件によっては売買契約を認めてもらえない可能性もあるため、売却活動中も、不動産会社や債権者と相談や報告をしっかり行う必要があります。

4.売却後の残債の返済計画を練ることが大切

前述した通り、任意売却で家を売却した後も、住宅ローンの残債の返済を続ける必要があります。

そのため、任意売却後に生活を立て直すためには、売却後の残債の返済計画を練ることが大切なポイントとなります。毎月どの程度なら無理のない範囲で返済できるのか、しっかり検討しておきましょう。

任意売却を成功させるためのポイント

最後に、任意売却を成功させるためのポイントについて説明します。

1.任意売却の開始は早ければ早い方がよい

任意売却の開始は、早ければ早いほど売却活動をしっかり行うことができるため、高額な価格で売却できる可能性が高くなります。

一方で、任意売却をするかどうか迷って時間だけが過ぎてしまっていたり、対応の遅い不動産会社に依頼してしまったりすれば、売却活動の期間が短くなってしまいます。そうすると、短い期間で売却しなければならないため、価格を下げることになります。

より有利に売却するためにも、可能な限り早い段階で任意売却について検討し、不動産会社に相談することが大切です。

2.任意売却を成功させるためには不動産会社選びが重要

任意売却を成功させるには、債権者の合意をスムーズに得て効率的に売却活動を開始する必要があります。そのためには、任意売却に精通した不動産会社を選ぶことが重要なポイントになってきます。

任意売却は通常の不動産売却とは異なるため、成功させるためには、専門的なノウハウや経験が求められます。任意売却の実績や知識が乏しい不動産会社や悪徳業者に依頼してしまうと、債権者との交渉や売却活動が難航する可能性があります。

一方で、任意売却に精通した不動産会社は、残債の支払い計画をしっかり作成して、債権者との交渉をスムーズに進めることができます。債権者である金融機関等への対応にも慣れているので、安心して任せることができるでしょう。

任意売却はスピーディーに進める必要があるため、不動産会社選びで失敗すれば大きな痛手となる可能性があります。不動産会社の公式サイトなどで任意売却の実績などをしっかり確認し、任意売却に精通した不動産会社に依頼することをおすすめします。

参考記事:任意売却の不動産会社の選び方のポイントと注意点

まとめ

今回は、任意売却の流れ、任意売却に関する注意点、任意売却を成功させるためのポイントなどについて解説しました。

任意売却を成功させることができれば競売を回避できるだけではなく、より有利な条件で売却して住宅ローンの残債の負担を軽減できる可能性が高くなります。

任意売却は、競売を回避するために有効な方法ですが、タイムリミットがあるという点には注意が必要です。タイムリミットに間に合うように債権者との交渉や売却活動をスピーディーに進めることが成功の鍵となるため、任意売却をサポートする不動産会社選びが非常に重要なポイントとなります。

2Wayは、全国400事業者との物件売却ネットワークや徹底した現地調査による販売力を強みとする不動産会社で、数多くの任意売却を成功に導いた実績があります。2Wayでは、一人ひとりの状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、適した方法をご提案しております。

「競売だけはなんとか回避したい」「少しでも有利に売却したい」「住宅ローンを払えない状況に陥っているけれど、今住んでいる自宅に住み続けたい」などという相談にも対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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